TES

繊維製品品質管理士はTextiles Evaluation Specialistの略称でTES(テス)と言います。

TESとは、アパレル・繊維業界の企業活動の合理化・消費者利益の保護・企業と消費者の信頼関係の改善を図ることを目的として、商品企画・商品仕入・品質の設定や判定を行うといった任務を遂行できるような素養を身につけた人に与えられる資格です。
わかり易く言うと、消費者へ提供する繊維製品の品質などに関するあらゆるアドバイザー業務などを行なうスペシャリストの事をいいます。

TESはかなり難しい資格です。1997年までは通産大臣の認定資格でしたが、行政改革の一環で、民間の認定資格となり、今は、経済産業省の監督下にある社団法人日本衣料管理協会が認定しています。
衣料管理協会は、衣料管理士の資格も認定しますが、衣料管理士が養成大学の卒業生に与えられるのに対して、TESは社会で働く幅広い人たちが取得しています。また、試験の質や量から考えても合格者のレベルには定評があります。

ファッションビジネス業界のさまざまな肯定で繊維製品の品質管理に努め、消費者からのクレームを未然に防ぐ役割を担うエキスパートを認定するTES資格者の活躍の場は小売・流通、アパレルメーカー、テキスタイルメーカーと幅広く、業種横断的に品質改善提案ができる点も業界内で高く評価されています。

TES資格を持っていると、取引先に対して技術・品質面の安心感を与えることができます。また、業種が違っても相互にTESであると共通基盤に立てて商談や交渉をスムースに運ぶことができます。

TESが名刺に『繊維製品品質管理士(TES)』と印刷するケースが増えている理由はそこにあります。
高度に磨かれた消費者を相手にするファッションビジネスでは、TESに相当する知識・技術が業界人必携のものとなってきました。
ファッションビジネスは多段階の業種で成り立っていますが、TESはこの中で「品質」に関する消費者の要求を、小売→アパレル→テキスタイルとつなぐ情報伝達の役割を果たしています。
すなわちTESは、消費者情報について業界と消費者の間のパイプ役を果たしています。

アパレル業界で生産者・販売者・消費者の間に立ち繊維製品の品質向上などを行なうスペシャリスト、それが「繊維製品品質管理士」なのです。